この3ステップで、懸垂のできない人でも自重トレーニングの王道種目をマスターできるようになる。
背中を大きく、強くしたいなら、懸垂(プルアップ)は避けて通れない。自重トレーニングの代表格でありながら、その筋肥大効果はバーベルやダンベルを使った種目にも引けを取らない。
自分の体重を重力に逆らって引き上げる動作は、背中や腕を鍛えるだけでなく、日常生活を支える実用的な筋力も養ってくれる。
懸垂で主に鍛えられるのは広背筋や大円筋などの上背部の筋肉だ。しかし、このコンパウンド種目(多関節運動)では、上腕二頭筋や体幹、さらに握力まで効率よく強化できる。
なかでも握力は、健康状態や寿命との関連が数多くの研究で示されている重要な指標だ。これだけでも、懸垂に取り組む理由として十分ではないだろうか。
さらに懸垂は、自分の体組成や相対筋力(体重に対してどれだけの筋力を発揮できるかを示す指標)を測る優れた "ものさし" にもなる。例えば、体重やバーベルの重量は増えているのに懸垂の回数だけが減っているなら、増えた体重ほど実用的な筋力が身についていない可能性がある。
懸垂ほど、自分の身体能力を正直に映し出してくれる種目はそう多くない。
とはいえ、懸垂を数回こなすことさえ難しい人は珍しくない。最後に鉄棒へぶら下がったのは子どもの頃という人も多いだろう。
そこで今回は、初心者でも段階的に懸垂を習得できる3ステップのプログラムを紹介する。
懸垂をマスターするための3ステップSTEP1. インバーテッドロウ(斜め懸垂)
懸垂ができる体を目指すなら、まず取り組むべき種目がこれだ。インバーテッドロウ自体が優れた種目でもある。上背部、腕、体幹を鍛えながら握力を高め、全身をコントロールする感覚が身につく。
やり方腰の高さにセットしたバーを握り、足を前に出して、両腕を伸ばしてバーの真下にぶら下がった状態になる。肘(ひじ)を45度の角度に開き、体をバーに向けて引き上げる。肘を腰に向けて下ろすイメージで、胸がバーに触れるまで肩甲骨を寄せて体を上げ、胸がバーに達したところで1秒静止する。その後、コントロールしながら両腕が完全に伸びるまで体を下ろし、この動作を繰り返す。
トレーニングプラン脚をまっすぐ伸ばした状態(難しければ膝を曲げてもよい)で、10回×5セットを目標にする。この回数を余裕を持って行えるようになったら、次のステップへ進もう。
なお、インバーテッドロウは懸垂習得後も非常に優秀な筋肥大種目だ。週1回程度、4〜5セットを継続し、必要に応じてプレートなどで負荷を追加するとよい。
次は、抵抗バンドの補助を利用して本格的な懸垂動作を身につけよう。
バンドが体重の一部を支えてくれるため、理想的なフォームを維持しながら必要な筋力を養える。

抵抗バンドを懸垂バーに取り付ける(または懸垂ラックの胸の高さにフックで取り付ける)。肩幅よりやや広めのオーバーハンドグリップでバーを握り、片足または両足をバンドにかける。そのまま完全に体を伸ばしてぶら下がる。肩甲骨を寄せて下げ、それからバーに向けて胸を引き上げる。肘を腰に寄せるイメージで行うとよい。バンドの張力により、体の上昇局面が補助される。胸がバーに触れた時点で筋肉を収縮させて1秒静止。それから2~3秒かけてゆっくりと、完全にぶら下がった状態まで体を下げていく。この動作を繰り返す。
トレーニングプラン最後の1~2回で限界を感じる負荷で8~10回の懸垂ができる強度の抵抗バンドを使う。この懸垂で、胸をバーに15回つけられるようになったら、抵抗バンドの強度を下げて、回数を積み上げていく。
STEP3. ジャンピング・エキセントリック・プルアップ抵抗バンドを使って1~2レベル上達したところで、いよいよ最後の第3段階に入る。ただし、懸垂が身につくまでは、少なくとも週1~2回は抵抗バンドを使って3~5セット続け、動作の流れを体で覚えながら、技術と筋力の向上を目指す。

懸垂バーの下に、バーを握った状態で踏み台にしてジャンプできる高さのボックスまたはベンチを置く。その台からジャンプして、胸をバーにつける。バーの上で1~2秒体勢を維持し、それからゆっくり2~3秒かけて、完全にぶら下がった状態まで下りていく。再び踏み台に乗って、この動作を繰り返す。
トレーニングプランまずは、上半身の力を使わずにバーの高さまでジャンプできる台で行う。懸垂の下降局面を完全にコントロールしながら8~10回こなせるようになったら(この局面で筋力は伸びる)、台の高さを低くしていく。
この要領で、ボックスを徐々に低くしていくか、あるいは片脚で軽く蹴るかたちに移行し、補助的要素を段階的に下げていく。そうすることで、台がなくても自力で体をバーまで引き上げられるようになるはずだ。
まとめここまで到達できれば、懸垂を習得するための土台は完成だ。ただし、フォームを崩さず、トップポジションで背中をしっかり収縮させ、下降局面をコントロールすることは常に意識したい。
また、10回を余裕を持って行えるようになるまでは、インバーテッドロウやバンデッド・プルアップなどの補助種目を引き続き取り入れ、総トレーニング量を確保することが重要だ。
そして、正式な懸垂を10〜15回こなせるようになったら、ウエイトを追加した高負荷トレーニングなど、さらなる筋力向上・筋肥大を目指す次のステージへ進もう。
Source / Men's Health UK
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳である。
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