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<インタビュー>セッションが曲になる瞬間――LOSALIOSが語る21年ぶりのアルバム『太陽系の鳥たち』

Дата публикации: 02-10-2026 09:00:00



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Interview & Text: 黒田隆憲

 LOSALIOSが、9月23日にニューアルバム『太陽系の鳥たち』をリリースした。『ゆうれい船長がハナシてくれたこと』(2005年)以来、実に21年ぶりとなるアルバムには、編成を変えながらライブと録音を重ねてきたバンドの歩みが刻まれている。中村達也(Dr.)、TOKIE(Ba.)、堀江博久(Gt./Key.)、加藤隆志(Gt.)、會田茂一(Gt.)。それぞれに多彩な活動を続ける5人は、LOSALIOSで何を求め、どのように音を組み立てているのか。

 弾いた本人さえ覚えていないフレーズを、別のメンバーが拾い上げる。サウンドチェックで生まれた演奏が、そのまま曲の核になる。そんな制作の話から見えてきたのは、互いの音への信頼と、今なお自分たちの音楽に驚ける面白さ。表題曲のタイトルに重ねたチバユウスケへの思い、長い時間をともにしてきた仲間たちとの関係、そして5人が鳴らす「今」の音について話を聞いた。

LOSALIOSという"十字架"の始まり

――21年ぶりのアルバムが完成した、いまの手応えを聞かせてください。

加藤隆志:LOSALIOSは2013年の活動休止を経て、メンバーが少しずつ入れ替わりながら活動を続けてきました。今回のアルバムには、その間の新曲や新録が集まっていて、ある意味、ベスト盤的な要素もあって。ここから新しいLOSALIOSに向かっていく区切りとして、一枚にまとまったことがすごく感慨深いですね。曲だけじゃなく、活動そのものが詰まっている感じがします。

TOKIE:コロナ禍ぐらいから、自分たちでツアーを回りながら「レコーディングもしていこう」「できた音源をどうやってみんなに伝えよう」と試行錯誤して、会場でCDを販売する形になっていったんですよね。加藤くんが再び参加するようになって、曲の作り方や録音のやり方もまた新しくなって。一番最近録った曲には、本当に今のLOSALIOSの新しい形が入っていると思います。

會田茂一:僕はどちらかというと、歌がある作品に関わることが多いんですけど、今回はインストのバンドのフルアルバムで。ライブを経てきた曲を録っているので、自分たちにとっても立体的な音楽として捉えられるアルバムができたなと感じています。

堀江博久:一曲一曲はずっと演奏したり録音してきたりしたものなんですけど、この曲順で並べて聴いたら、音の聴こえ方が全然違ったんですよ。古い、新しいということもなく、「あ、アルバムになった」って。達也さんを中心に曲順やタイトルが決まっていって、最後の集中力もあって、ちゃんと作品として形になった。それが曲にとっても、自分たちにとってもよかったなと思いますね。


▲LOSALIOS「DeLICIOUS」

――改めて、達也さんのソロプロジェクトとして始まったLOSALIOSの成り立ちを聞かせてください。

中村達也:BLANKEY JET CITYをやっていた頃、テルちゃん(照井利幸)もベンジー(浅井健一)も、それぞれバンドを始めたんだけど、俺は一人だったから。「どうしよう、何にもやることないわ」って。ハイエースに機材を積んで、あちこち走り回っていろんな人とセッションする。そういう十字架を背負ったんだ、と言ってLOSALIOSという名前にしたのね。ただ、思いついただけで何も作れなかったんだけど。

2人はアルバムを出したけど、俺は映像作品だけを残した。その頃に作った「ガビル」っていう曲は、熱川バナナワニ園にいた「ガビヤル」っていうワニの名前を「ガビル」と読み間違えて、そのままタイトルにしたのね。間違いから始まったんですね。下田の水族館でイルカと泳いだ映像なんかも作ってもらったの。まだ知らない人もいると思うけど。

――当時のセッションには、どんな人たちが集まっていたのでしょうか。

中村:「バー青山」という場所があって、そこで加藤くんとセッションしたり、TOKIEが現れたり。SUGIZOさんや武田真治くん、スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)のメンバー、SOBUTのMOTOAKIや川村カオリも来たりして、夜な夜なセッションしていたの。夕方から朝まで、ずっと即興で。そこからLOSALIOSを、即興だけじゃなくて、ちゃんと整った形でやろうとなったんだね。

俺は曲を作るというより、セッションの音を拾って、バラバラにして構築していくようなことをやっていたんです。俺がめちゃくちゃドラムを叩いているところに加藤くんがギターを乗せたり、俺がベースを乗せたり、谷中敦さんがサックスを入れたり。あの頃は俺も、歌詞のない、勢いだけの歌みたいなものを入れていたから。

ソロプロジェクトだから、いろんな人が出たり入ったりするクリエイター集団みたいになってもいいんじゃないかと思ったけど、やっぱりバンドって……と思うところもあって。

加藤:メンバーが変わっていくことも、LOSALIOSの面白さだったんですよ。今回のアルバムにも、4人で録ったものと、5人の音が揃ったものが入り混じっています。

――その曲作りは、やはりセッションから始まることが多いですか?

加藤:多いですね。達也さんとTOKIEさんがジャムり始めると、もう曲になっているというか、楽曲の世界が立ち上がるんです。フレーズというより、そのときの空気感や絵を汲み取って、ライブで繰り返し表現できるように編集していく。セッションをその場だけで終わらせず、何度も味わえるようにするための台本やレシピを作る感覚です。

音符にならないようなフレーズがたくさんあるんですよ。それを無理やり音符にして書き起こすんだけど。僕はスカパラもやっていますけど、メロディーがあって曲になるのとはまた違って、音が出た瞬間に、もう曲になる。そこが面白いし、LOSALIOSにしかない感じだと思いますね。

――「Screaming Head POP STAR」のフリーキーなギターの重なりも、そうして生まれたのでしょうか。

加藤:あれは、京都の磔磔でライブをする前のリハーサルの音源から拾ったものなんです。堀江さんが弾いていたフレーズなんですけど、本人は弾いた覚えがなくて。

堀江:何時間も音を出していた素材を加藤くんが聴いて、「これ面白いじゃん」と拾ってくる。それを聴かされると、みんな「これ誰が弾いたの?」「どういう音を出したの?」と驚くんですよ。「Screaming Head POP STAR」は、まさにそういう曲です。自分が弾いたはずなのに、また覚えなきゃいけない。「こんなフレーズ弾いたっけ?」から始まる、自分をコピーするような感じなんです。

「太陽系の鳥たち」の間奏のピアノもそう。むちゃくちゃに弾いていたなかから加藤くんが拾ってきたもので、自分では弾いた覚えがない。今回のアルバムにはいろんな曲の作り方があるんですけど、僕はこの2曲にはすごくびっくりしました。

――「JOKER'S DANCE」の目まぐるしい展開は、どのように組み立てたのでしょうか。

加藤:あれは、もともとアイゴンさん(會田)のギタートラックだけをもらっていて。そのリフがむちゃくちゃかっこいいと思って、達也さんとTOKIEさんが別の日にやったセッションと合体させたんです。2人のセッションも爆裂にジャムっていて、これもかっこいい。そのふたつを一個にしたらどうなるんだろう、という実験を家でやって。自分のギターは、本当に一番最後につけたような感じです。

ギターソロも、アイゴンさんが同じキーで弾いている、別のところから切り刻んで作っている。アイゴンさんのフレーズだけど、たぶん本人は弾いた覚えがない、というものになっているんですよ。僕にとってアイゴンさんはEL-MALO時代からギターヒーローで、出してくるリフが全部好きなんです。それを「自分だったらこう聴かせますね」というやり取りから曲が生まれてくるのが、すごく面白いんです。

――「NATURE」はベースとドラムの絡みが気持ちよく、鍵盤の響きも印象的です。

TOKIE:あれもスタジオでのセッションからですね。最初の頃は、ほとんどベース始まりでした。その場で出てきたリフを「どうかな」と言って、そこから組み立てていく。

堀江:「女豹」もそうですね。TOKIEさんが最初に出したフレーズを達也さんが「これいい」と拾って、みんなが音を乗せていく。そのあとに僕がシンセサイザーやオルガンを入れたりする。誰かの音が根っこにあって、そこから組み立てている感じです。

加藤:「NATURE」にあとから鍵盤をつけた堀江さんは、本当にすごいと思いました。もともとのセッションがかっこよくて、ギターの2人は弾かないということになって。堀江さんに半分丸投げみたいな状態だったんですけど、作ってきてくれたものには感動しましたね。

――録音した音を、ミックスではどのように仕上げていくのでしょうか。

加藤:そのままでいってもいいんですけど、南石聡巳さんにまた調理してもらうというか、色をつけてもらう。楽曲の世界観がより出るようなミックスにしてもらえるので、僕らは安心していいテイクを録れるんです。

リリース情報
『太陽系の鳥たち』
公演情報

1.jpg

【LOSALIOS 九州ツアー】

2026年11月14日(土)福岡・小倉FUSE
2026年11月16日(月)福岡・LIVEHOUSE CB
2026年11月17日(火)福岡・久留米RISEUP
2026年11月18日(水)佐賀・GEILS
2026年11月20日(金)熊本・NAVARO
2026年11月22日(日)鹿児島・SR HALL
2026年11月23日(月・祝)宮崎・LAZARUS
詳細はこちら

【LOSALIOS Billboard Live】

2027年1月22日(金)神奈川・ビルボードライブ横浜
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
詳細はこちら
2027年1月26日(火)大阪・ビルボードライブ大阪
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
詳細はこちら
2027年1月28日(木)東京・ビルボードライブ東京
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
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