This study aims to analyze the alignment of the attained curriculum in Japanese elementary school arithmetic and junior high school mathematics, based on the results of the National Assessment of Academic Ability. To achieve this, data from the assessment were used to compare mean correct response rates across groups defined by the degree of implementation of each instructional practice, using one-way analysis of variance (ANOVA). These rates were considered both overall and by specific domains and evaluative perspectives. The analysis of alignment revealed several instructional practices that showed tendencies of alignment with attained learning outcomes. In elementary school arithmetic, alignment was observed in practices that encouraged students to write notes in ways that made the processes of problem solving and reasoning visible. In junior high school mathematics, alignment was evident in lessons that emphasized connections between mathematical concepts and real-life phenomena, as well as in instructional approaches that ensured students understood the rationale behind formulas and rules. These findings suggest that instructional practices explicitly fostering students’ comprehension of problem-solving processes, contextual relevance, and conceptual justification tend to show greater alignment with attained learning outcomes. However, as this study did not control for confounding variables, the observed associations should be interpreted as exploratory rather than causal. The study contributes to curriculum research by identifying associations between specific pedagogical practices and attained learning outcomes, thereby offering insights into effective instructional design in mathematics education.
小学校算数のアラインメント分析に用いる全国学力・学習状況調査のデータは,現行の学習指導要領が全面実施された令和 2 年度の指導を反映した令和 3 年 5 月 27 日実施の令和 3 年度の全国学力・学習状況調査のデータを用いる. データは,文部科学省より貸与を受けた匿名データで,小学校に在籍し,5 月 27 日に調査を受けた第 6 学年の児童から約 10% をランダム抽出した 99,445 人分である. 全国学力・学習状況調査は悉皆調査であり,令和 3 年度調査の小学校第 6 学年の集計数は 1,005,600 人である(文部科学省・国立教育政策研究所,2021b,p4). 匿名データは,この集計数に対して 10% 未満の集計数であるが,全国的な傾向を把握する上では,十分なデータである.
① 変数
(i) 実施されたカリキュラム
実施されたカリキュラムとして取り上げる令和 3 年度の全国学力・学習状況調査における学校質問紙では,「新型コロナウィルス感染症の影響」についての質問項目 (I ~ XI) を除くと,この年の質問項目は (1) ~ (91) であり,そのうち,算数科の指導方法として,以下に示す質問 (55) から (60) の 6 つの質問がされている. 回答は4件法 (1. よく行った,2. どちらかといえば,よく行った,3. あまり行わなかった,4. 全く行わなかった)で収集されている. このうち,算数科の授業について具体的な指導方法を尋ねている質問の番号 (57) (58) (59) (60) を分析対象とする.
「調査対象である第 6 学年の児童に対する算数の授業において,前年度までに,次のような指導をどの程度行いましたか. 当てはまる番号を1つずつ選んでください.
(55) 補充的な学習の指導
(56) 発展的な学習の指導
(57) 実生活における事象との関連を図った授業
(58) 具体的な物を操作するなどの体験を伴う学習を通して,数量や図形について実感を伴った理解をする活動
(59) 公式やきまり,計算の仕方等を指導するとき,児童がそのわけを理解できるように工夫していた
(60) 問題の解き方や考え方の過程が分かるように工夫してノートを書く指導」
(文部科学省・国立教育政策研究所,2021a,pp.42-44)
なお,分析対象とした 99,445 人のうち,学校質問紙の各質問項目について無回答・欠測のある児童が存在した. 各質問の有効回答数は,質問 (57) が 99,159 人 (99.7%),質問 (58) が 99,253 人 (99.8%),質問 (59) が 99,209 人 (99.8%),質問 (60) が 99,197 人 (99.7%) であった. 各分析では,当該質問項目に有効回答のあったケースのみを対象とした(リストワイズ除外). 有効回答率はいずれも 99.7% を上回っており,欠測による偏りは限定的と考えられる.
(ii) 達成されたカリキュラム
達成されたカリキュラムを捉えるために取り上げる算数の問題は,16 問出題され,その集計結果は 表1 のように報告されている. また,問題別集計結果は,表2 のようにまとめられる. なお,正答率と無解答率には,本研究で用いる匿名データの集計結果を追記している. 調査全体の集計結果と本研究で用いる匿名データの結果には,大きな違いは認められない.
領域ごとの出題は,数と計算が4問,図形が 3 問,測定が 3 問,変化と関係が 3 問,データの活用が5問となっている.このうち,複数の領域に関する問題は,数と計算と測定が1問,図形と測定が 1 問出題されている. 評価の観点では,知識・理解が 9 問,思考・判断・表現が7問,主体的に学習に取り組む態度については出題がなかった.
② 手続き
(i) 算数の正答率とのアラインメント
達成されたカリキュラムのアラインメントの分析では,第一に,学校質問紙の 4 つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,算数の正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する. これにより,算数の達成度に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析する.
(ii) 領域ごとの正答率とのアラインメント
第二に,各領域の正答率に,学校質問紙の 4 つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,各領域の正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する. これにより,算数の各領域の達成度に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析する.
(iii) 評価の観点ごとの正答率とのアラインメント
第三に,評価の観点ごとの正答率に,学校質問紙の 4 つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,評価の観点ごとの正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する.これにより,評価の観点ごとの算数の達成度に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析する.
③ 分析結果
(i) 算数の正答率とのアラインメント
表3 は,学校質問紙の質問 (57) (58) (59) (60) の回答と算数の正答率の平均を集計したものである. 質問 (57) (58) (60) に対して,肯定的3 に回答している方が,算数の正答率が高くなっている. 質問 (59) に対しては,4 の正答率が最も高く,その次に 1,2,3 の順になっている.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 質問 (57) | 70.6% | 70.2% | 69.7% | 69.6% |
| 16553 | 64497 | 17955 | 154 | |
| 質問 (58) | 70.5% | 70.1% | 70.1% | 69.1% |
| 29352 | 61845 | 8012 | 44 | |
| 質問 (59) | 70.1% | 69.7% | 67.9% | 71.5% |
| 42823 | 53966 | 2386 | 34 | |
| 質問 (60) | 71.0% | 69.9% | 68.4% | 63.5% |
| 39791 | 53415 | 5953 | 38 | |
表4 は,質問 (57) (58) (60) について,分散分析を行った結果である.学校質問紙の質問 (57) (60) について, 5% の有意水準で有意差が認められる. 質問 (58) については,有意差は認められない.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 質問(57) | 8021.321 | 3 | 2673.774 | 5.627 | <.001† |
| 質問(58) | 3304.697 | 3 | 1101.566 | 2.319 | .073 |
| 質問(60) | 50050.181 | 3 | 16683.394 | 35.143 | <.001† |
† p < .05.
(ii) 領域ごとの達成度に対する実施された授業や指導のアラインメント
A 実生活における事象との関連を図った授業
表5 は,学校質問紙の質問 (57) の回答と各領域の正答率の平均を集計したものである. 数と計算,図形,測定の 3 つの領域においては,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている. 変化と関係とデータの活用の 2 つの領域は 1 の正答率が最も高く,その次に 4,2,3 の順になっているが,最も高い正答率と最も低い正答率の差が 1% 未満である.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と計算 | 63.9% | 63.2% | 62.6% | 60.9% |
| 図形 | 58.3% | 58.0% | 57.3% | 57.1% |
| 測定 | 75.3% | 74.7% | 74.3% | 72.3% |
| 変化と関係 | 76.1% | 75.9% | 75.6% | 76.0% |
| データの活用 | 76.5% | 76.0% | 75.4% | 76.2% |
表6 は,数と計算,図形,測定の 3 つの領域の結果について,分散分析を行った結果である. 数と計算,図形,測定 3 つの領域において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と計算 | 14600.098 | 3 | 4866.699 | 5.100 | .002† |
| 図形 | 10853.498 | 3 | 3617.833 | 3.187 | .023† |
| 測定 | 9499.407 | 3 | 3166.469 | 4.295 | .005† |
† p < .05.
B 具体的な物を操作するなどの体験を伴う学習を通して,数量や図形について実感を伴った理解をする活動
表7 は,学校質問紙の質問 (58) の回答と各領域の正答率の平均を集計したものである. 数と計算の領域と変化と関係の領域においては,肯定的に回答している方が,正答率の平均が高くなっている. 図形の領域においては,4 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 1,3,2 の順になっている. 測定の領域においては,1 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 4,2,3 の順になっている. データの活用の領域においては,4 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 1,2,3 の順になっている.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と計算 | 63.5% | 63.0% | 62.9% | 56.8% |
| 図形 | 58.2% | 57.8% | 58.1% | 59.8% |
| 測定 | 75.1% | 74.6% | 74.5% | 75.0% |
| 変化と関係 | 76.1% | 75.7% | 76.0% | 72.7% |
| データの活用 | 76.2% | 75.9% | 75.7% | 77.7% |
表8 は,数と計算の領域と変化と関係の領域の結果について,分散分析を行った結果である.数と計算の領域については,5% の有意水準で有意差が認められる.変化と関係の領域については,有意差は認められない.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と計算 | 7579.82 | 3 | 2526.608 | 2.648 | .047† |
| 変化と関係 | 2971.642 | 3 | 990.547 | 1.333 | .261 |
† p < .05.
C 公式やきまり,計算の仕方等を指導するとき,児童がそのわけを理解できるような工夫
表9 は,学校質問紙の質問 (59) の回答と各領域の正答率の平均を集計したものである.数と計算の領域と測定の領域とデータの活用の 3 つの領域においては,1 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に4,2,3 の順になっている. 図形の領域と変化と関係の 2 つの領域においては,4 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 1,2,3 の順になっている. 肯定的に回答している方が,正答率の平均が高くなるような領域はない.
D 問題の解き方や考え方の過程が分かるように工夫してノートを書く指導
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と計算 | 64.1% | 62.5% | 60.7% | 62.5% |
| 図形 | 59.0% | 57.2% | 55.3% | 60.8% |
| 測定 | 75.3% | 74.3% | 73.1% | 74.5% |
| 変化と関係 | 76.4% | 75.5% | 74.3% | 79.4% |
| データの活用 | 76.7% | 75.6% | 73.0% | 75.9% |
表10 は,学校質問紙の質問 (60) の回答と各領域の正答率の平均を集計したものである. 数と計算,図形,測定.変化と関係,データの活用のすべての領域において,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と計算 | 64.0% | 62.8% | 61.0% | 54.6% |
| 図形 | 58.8% | 57.6% | 55.8% | 50.9% |
| 測定 | 75.3% | 74.5% | 72.9% | 64.0% |
| 変化と関係 | 76.5% | 75.6% | 74.6% | 67.5% |
| データの活用 | 76.7% | 75.6% | 74.1% | 72.1% |
表11 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である.数と計算,図形,測定,変化と関係,データの活用のすべての領域において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と計算 | 69369.910 | 3 | 23123.303 | 24.252 | <.001† |
| 図形 | 63472.163 | 3 | 21157.388 | 18.644 | <.001† |
| 測定 | 41056.973 | 3 | 13685.658 | 18.570 | <.001† |
| 変化と関係 | 33807.318 | 3 | 11269.106 | 15.176 | <.001† |
| データの活用 | 50824.074 | 3 | 16941.358 | 29.404 | <.001† |
† p < .05.
(iii) 評価の観点ごとの達成度に対する実施された授業や指導のアラインメント
A 実生活における事象との関連を図った授業
表12 は,学校質問紙の質問 (57) の回答とその評価の観点ごとの正答率の平均を集計したものである. 知識・技能の評価の観点においては,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.思考・判断・表現の評価の観点においては,1 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 2,4,3 の順になっている.
表13 は,知識・技能の結果について,分散分析を行った結果である. 5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 4493.537 | 3 | 1497.846 | 3.371 | .018† |
† p < .05
B 具体的な物を操作するなどの体験を伴う学習を通して,数量や図形について実感を伴った理解をする活動
表14 は,学校質問紙の質問 (58) の回答とその評価の観点ごとの正答率の平均を集計したものである.知識・技能の評価の観点においては,4 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 1,2,3 の順になっている. 思考・判断・表現の評価の観点においては,1 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 3,2,4 の順になっている.
C 公式やきまり,計算の仕方等を指導するとき,児童がそのわけを理解できるような工夫
表15 は,学校質問紙の質問 (59) の回答とその評価の観点ごとの正答率の平均を集計したものである. 知識・技能,思考・判断・表現の両方の評価の観点において,4 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 1,2,3 の順になっている.
D 問題の解き方や考え方の過程が分かるように工夫してノートを書く指導
表16 は,学校質問紙の質問 (60) の回答とその評価の観点ごとの正答率の平均を集計したものである. 知識・技能,思考・判断・表現の評価の両方の観点においては,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
表17 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である. 知識・技能,思考・判断・表現の両方の評価の観点において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 33531.973 | 3 | 11177.324 | 25.172 | <.001† |
| 思考・判断・表現 | 77758.111 | 3 | 25919.370 | 34.984 | <.001† |
† p < .05.
(2) 中学校数学
中学校数学のアラインメント分析に用いる全国学力・学習状況調査のデータは,現行の学習指導要領が全面実施された令和 3 年度の指導が反映された令和 4 年 4 月 19 日実施の令和 4 年度調査を対象とする. データは,文部科学省から貸与された匿名データで,中学校に在籍し,4 月 19 日に調査を受けた第 3 学年の生徒から約 10% をランダム抽出した 89,435 人分のデータである. 全国学力・学習状況調査は悉皆調査であり,令和4年度調査の中学校第 3 学年の集計数は 928,509 人である(文部科学省・国立教育政策研究所,2022b,p.4). 匿名データは,この集計数に対して 10% 未満の集計数であるが,全国的な傾向を把握する上では,十分なデータである.
① 変数
(i) 実施されたカリキュラム
実施されたカリキュラムとして取り上げる令和 4 年度の全国学力・学習状況調査における学校質問紙では,「新型コロナウィルス感染症の影響」についての質問項目 (I~III) を除くと,質問項目は (1)~(80) であり,そのうち,数学科の指導方法については (46) (47) (48) の 3 つの質問がされている. 回答は 4 件法 (1. よく行った,2. どちらかといえば,よく行った,3. あまり行わなかった,4. 全く行わなかった)で収集されている. この 3 つの質問項目を分析対象とする.
「調査対象である第 3 学年の生徒に対する数学の授業において,前年度までに,次のような指導をどの程度行いましたか.当てはまる番号を 1 つずつ選んでください.
(46) 実生活における事象との関連を図った授業
(47) 観察や操作,実験等の活動を通して,数量や図形等の性質を見いだす活動
(48) 公式や決まりなどを指導するとき,生徒がその根拠を理解できるように工夫していた」
(文部科学省・国立教育政策研究所,2022a,p.29)
なお,分析対象とした 89,435 人のうち,学校質問紙の数学科指導方法に関する 3 つの質問項目すべてに有効な回答が得られた 89,170 人(有効回答率 99.7%)を各分析の対象とした.
(ii) 達成されたカリキュラム
達成されたカリキュラムを捉えるために取り上げる数学の問題は 14 問出題され,その集計結果は 表18 のように報告されている. また,問題別集計結果は,表19ようにまとめられる. なお,正答率と無解答率には,本研究で用いる匿名データの数値を追記している. 調査全体の集計結果と本研究で用いる匿名データの結果には,大きな違いは認められない.
領域ごとの出題は,数と式が 5 問,図形が 3 問,関数が 3 問,データの活用が 3 問となっている. 評価の観点では,知識・理解が9問,思考・判断・表現が 5 問,主体的に学習に取り組む態度については出題がなかった.
② 手続き
(i) 数学の正答率とのアラインメント
達成されたカリキュラムのアラインメントの分析では,第一に,学校質問紙の 3 つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,数学の正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する.これにより,数学の達成度全般に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析 する.
(ii) 領域ごとの正答率とのアラインメント
第二に,各領域の正答率に,学校質問紙の 3 つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,各領域の正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する.これにより,各領域の数学の達成度に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析する.
(iii) 評価の観点ごとの正答率とのアラインメント
第三に,評価の観点ごとの正答率に,学校質問紙の3つの授業や指導の実施の程度に対する回答群間で,評価の観点ごとの正答率の平均に差があるかを,一元配置分散分析(有意水準 5%)により検討する.これにより,評価の観点ごとの数学の達成度に対する実施された授業や指導とのアラインメントを分析する.
③ 分析結果
(i) 数学の正答率とのアラインメント
表20 は,学校質問紙の質問 (46) (47) (48) の回答に対する数学の正答率の平均を集計したものである. すべての質問に対して,肯定的に回答している方が,数学の正答率が高くなっている. なお,質問 (48) について,4 と回答したものは含まれていなかったため,正答率は求められていない.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 質問 (46) | 52.6% | 51.4% | 50.4% | 47.8% |
| 14662 | 58681 | 15637 | 190 | |
| 質問 (47) | 52.9% | 51.4% | 50.5% | 50.3% |
| 14749 | 54340 | 19555 | 526 | |
| 質問 (48) | 52.3% | 50.9% | 49.1% | - |
| 38154 | 48715 | 2301 | 0 | |
表21 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である. すべての質問について,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 質問 (46) | 40173.527 | 3 | 13391.176 | 20.186 | <.001† |
| 質問 (47) | 53490.828 | 3 | 17830.276 | 26.884 | <.001† |
| 質問 (48) | 56362.737 | 2 | 28181.369 | 42.494 | <.001† |
† p < .05.
(ii) 領域ごとの正答率のアラインメント
A 実生活における事象との関連を図った授業
表22 は,学校質問紙の質問 (46) の回答に対する各領域の正答率の平均を集計したものである. すべての領域において,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と式 | 58.7% | 57.3% | 56.3% | 52.5% |
| 図形 | 44.9% | 43.6% | 42.8% | 41.4% |
| 関数 | 44.7% | 43.5% | 42.1% | 38.8% |
| データの活用 | 58.0% | 57.3% | 56.4% | 55.3% |
表23 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である.すべての領域において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と式 | 49341.536 | 3 | 16447.179 | 14.722 | <.001† |
| 図形 | 38284.955 | 3 | 12761.655 | 14.962 | <.001† |
| 関数 | 55818.104 | 3 | 18606.035 | 15.001 | <.001† |
| データの活用 | 19936.437 | 3 | 6645.479 | 7.503 | <.001† |
† p < .05.
B 観察や操作,実験等の活動を通して,数量や図形等の性質を見いだす活動
表24 は,学校質問紙の質問 (47) の回答に対する各領域の正答率の平均を集計したものである. 数と式とデータの活用の 2 つの領域は,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている. 図形の領域は,1 と回答した正答率が最も高く,その次に 4,2,3 の順になっている. 関数の領域は,1 と回答した正答率が最も高く,その次に 2,4,3 の順になっている.
| 回答 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
| 数と式 | 59.2% | 57.3% | 56.3% | 56.1% |
| 図形 | 45.2% | 43.5% | 42.8% | 44.6% |
| 関数 | 45.1% | 43.4% | 42.3% | 42.8% |
| データの活用 | 58.1% | 57.3% | 56.4% | 53.9% |
表25 は,数と式の領域とデータの活用の領域の結果について,分散分析を行った結果である. 両方の領域において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と式 | 69518.236 | 3 | 23172.745 | 20.747 | <.001† |
| データの活用 | 30768.327 | 3 | 10256.109 | 11.582 | <.001† |
† p < .05.
C 公式や決まりなどを指導するとき,生徒がその根拠を理解できるような工夫
表26 は,学校質問紙の質問 (48) の回答に対する各領域の正答率の平均を集計したものである.すべての領域において,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
| 回答 | |||
|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | |
| 数と式 | 58.4% | 56.7% | 54.7% |
| 図形 | 44.6% | 43.0% | 41.2% |
| 関数 | 44.3% | 42.8% | 40.9% |
| データの活用 | 57.7% | 57.0% | 55.8% |
表27 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である.すべての領域において,5%の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 数と式 | 77950.781 | 2 | 38975.391 | 34.898 | <.001† |
| 図形 | 66297.232 | 2 | 33148.616 | 38.878 | <.001† |
| 関数 | 65240.319 | 2 | 32620.160 | 36.302 | <.001† |
| データの活用 | 16975.371 | 2 | 8487.6869 | 9.583 | <.001† |
† p < .05.
(iii) 評価の観点ごとの正答率のアラインメント
A 実生活における事象との関連を図った授業
表28 は,学校質問紙の質問 (46) の回答に対する知識・技能の観点と思考・判断・表現の観点の平均を集計したものである. 2 つの観点とも,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
表29 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である.両方の評価の観点において,5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 31206.399 | 3 | 10402.133 | 13.833 | <.001† |
| 思考・判断・表現 | 60449.647 | 3 | 20149.882 | 24.021 | <.001† |
† p < .05.
B 観察や操作,実験等の活動を通して,数量や図形等の性質を見いだす活動
表30 は,学校質問紙の質問(47)の回答に対する知識・技能の観点と思考・判断・表現の観点の平均を集計したものである. 知識・技能の評価の観点では,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.これに対して,思考・判断・表現の評価の観点においては,1 に回答した正答率の平均が最も高く,その次に 2,4,3 の順になっている.
表31 は,知識・技能の結果について,分散分析を行った結果である. 5% の有意水準で有意差が認められる.
| 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | 有意確率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 45044.777 | 3 | 15014.926 | 19.972 | <.001† |
† p < .05.
C 公式や決まりなどを指導するとき,生徒がその根拠を理解できるような工夫
表32 は,学校質問紙の質問 (48) の回答に対する知識・技能の観点と思考・判断・表現の観点の平均を集計したものである.2つの観点とも,肯定的に回答している方が,正答率が高くなっている.
表33 は,上記の結果について,分散分析を行った結果である. 両方の評価の観点において,5% の有意水準で有意差が認められる.