Interview & Text: 森朋之
Photo: 堀内彩香
大原櫻子から新曲「まるでサイダー!」が届けられた。
2001年生まれの気鋭のシンガーソングライター、ルイが手がけたこの曲は、爽やかさと解放感を共存させたメロディ、〈高鳴る、恋の泡〉をモチーフにしたリリックが一つになったポップチューン。思春期の切なさとピュアな感性がほとばしる夏ソングに仕上がっている。
10月には全国7公演によるツアー「大原櫻子 TOUR 2026“REFRESH”」の開催も決定。デビュー12年目、30代になってさらに充実した活動を続けている彼女に、「まるでサイダー!」の制作とツアーについて聞いた。
「久々にキラッとした曲を見つけた」――新曲から思い出す、青春の記憶――まずは3月に行われたビルボードライブ公演【Premium Concert 2026「Not just I 3」】について。大阪、横浜、東京で開催されましたが、手ごたえはどうでしたか?
大原櫻子:ビルボードライブでの公演は全部で5回目だったんですけど、やっぱり特別ですよね。品がある空間だし、自分自身もご褒美をいただいた感覚になって。自分の普段のツアーとは違って、いろんな曲を歌わせてもらってるんですよ。今回はミュージカルの楽曲(「Never Enough」/「グレイテスト・ショーマン」より 「Something's Got A Hold On Me/「バーレスク」より)だったり、笠置シヅ子さんの「東京ブギウギ」だったり。会場によってもちょっとずつ雰囲気が違うんですよね。大阪はとにかくお客さんの距離が近くて。横浜はシャンデリアがすごく素敵だし、東京は後ろのカーテンが開くと、きれいな夜景が見えて。天井が高くて、音の広がりがすごくあるんですよね。
――アコースティックな編成が似合いますよね。
大原:そうですね。すごく歌いやすい音作りをしてくださるし、お客さんは食事やお酒を楽しみながら聴いてくれて。本当にありがたいなって思っています。

――では、新曲「まるでサイダー!」について聞かせてください。1月にリリースされた阿部真央さん書き下ろしによる「裸になって」とはまったくテイストが違う楽曲ですね。
大原:180度違いますね。ディレクターさんやスタッフのみなさんといろんな曲のデモを聴いていたときに、「久々にキラッとした曲を見つけた!」と感じたのが「まるでサイダー!」だったんです。キャッチ―なメロディとユニークな歌詞にすごく心を掴まれて。「好きだってだけで あふれる胸 まるでサイダー!」「焦って 迷って ストローで口を塞いだ」もそうなんですけど、キュートな恋心を上手く韻を踏みながら表現していて、「なんて可愛いんだろう!」ってすごくキュンとしました。夏フェスの出演も決まっていたし、「これは絶対、ライブ映えするよね」というところでシングルにしようと。
――作詞・作曲はシンガーソングライターのルイさん。2001年生まれの25歳だそうですね。
大原:すごい才能ですよね。編曲のきなみうみさんも20代後半なんですよ。この曲の青春感、キラキラ感をさらに増してくれて、本当に魅力的なサウンドに仕上げていただきました。演奏も素晴らしいし、私的なポイントはウインドチャイムの音なんですよ。夏の訪れと心がウキウキする感じもそうだし、楽曲のキラッとした成分をウインドチャイムの高い音が表現してくれていて。あとは最後の「君が好き。」の部分のアレンジもすごく素敵で。今回はミックスにも参加させてもらったんですけど、音のバランスや楽器の位置もめちゃくちゃよくて、何も言うことはありませんでした。
――歌のレコーディングのときは、どんなことをイメージしていたんですか?
大原:自分のなかでこの曲の主人公は、学生時代を思い返している20代前半くらいの男の子で。歌ってると元気が出てくるんですよね。こういうアップテンポの曲はちょっと久しぶりだったし、夏に向けて爽やかな曲をリリースできるのがうれしくて、ウキウキして歌ってました(笑)。

――フレッシュさがすごく感じられるボーカルですよね。
大原:ありがとうございます。歌い方はいろいろ試してみたんですよ、じつは。サビがかなり高音なので、ストレートに歌うとちょっとキンキンした感じになってしまって。鋭い声にならないように、ちょっと声帯の幅を広げるような感覚で、太さのある声を意識してましたね。キーの設定やマイクの選び方などもディレクターの方と話し合って、イメージに近づけていきました。
――サウンド、ボーカルを含めて、青春のキラキラ感がストレートに伝わる曲ですよね。大原さんご自身の10代はどんな感じだったんですか?
大原:部活少女ですね。水泳部だったんですけど、夏休みはハードな練習で汗を流して。がんばって大会を目指していたのがいちばんの思い出です。いま振り返っても、一生懸命やってよかったなって思いますね。かなり厳しい部活だったので、精神的にも鍛えられましたし、肺活量もめちゃくちゃ使うので、歌にもいい影響があるんじゃないかな。当時から音楽も好きで、文化祭のために友達とバンドを組んだりしてたんですよ。学校終わりでみんなでスタジオに入ったり。楽しいことも大変なこともありますけど、すごく友達に恵まれていたし、いい青春時代でした。
――青春時代に悔いはないし、と。
大原:そうですね(笑)。10代の頃に限らず、「あのとき、こういうふうにしておけばよかった」みたいな後悔はあまりないんですよ。全部やり切ったと思えるようにやっているつもりだし、とにかく目の前のことをがんばるタイプなので。一生懸命生きてます(笑)。
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